GAP

gGAP CC 19.04.02 休憩・休息、食事、飲み水


gGAPは、需要の多い青果物からバージョン6へと移行し、その日本語版も2022年に登場しております。その後、作物展開は長く旧バージョンで維持されていましたが、その置き換え(V6)が 2026年5月1日 となったようです。
認証機関によっては、猶予期間のあるところも考えられますが、JQAなど日本で認証できる期間の場合はこの日を境に適用バージョンが変わるものと推察されます。

この内容を紐解いていくことにいたしましょう。(支援希望の方は こちらから 

19 WORKERS’ HEALTH, SAFETY, AND WELFARE
19 働く人の健康、安全、福祉
19.04 働く人の福祉
19.04.02 (上位)働く人は清潔な飲料水、食品置場、食事と休憩をする場所を利用できる。
働く人が農場内で食事をする場合は、食品を保管するための清潔な場所と、食事をするための清潔な場所を提供していなければならない。
飲料水は、働く人に常に無償で提供していなければならない。働く人の飲料水へのアクセスは制限してはならない。
休憩および休息のための指定場所を設けなければならない。
(青果物)NIG20.04.02 飲料水、食事と休憩

この基準においても、原文の文脈から、スキームオーナーの意図を読み取ってみたいと思います。
いくつかのポイントが一つの段落にまとめられていますので、下手に解釈すると、基準には、「働く人が農場内で食事をする場合は、」という条件文があるので、該当しない場合は基準に示されたすべての内容に対して「該当なし」としてしまう恐れがあります。当然この解釈は間違っています。
よって、上記の基準では、あえて、三つの段落に分割してあります。


原文:A clean place to store food and a clean place to eat について
青果物の日本語版では、「食品を保管する清潔な場所と、食事をする場所」という記述になっています。しかし、ここでは原文に沿って、下線で示したように「食品を保管するための清潔な場所と、食事をするための清潔な場所」としております。

原文の太字で示したように、両方の場所に対して、clean であることを要求しています。

原文の構造

"A clean place to store food and a clean place to eat"

  • clean両方にかかっている(明示的に2回使用)
  • 食品保管場所 → clean
  • 食事場所 → clean

翻訳の比較

1. 「食品を保管する清潔な場所と、食事をする場所」

問題点:

  • 「食事をする場所」に「清潔な」がかかっていない
  • 原文では両方に "clean" が明記されているのに、片方が欠落
  • 食事場所は清潔でなくても良いという誤解を招く可能性

次に、「飲料水」についてです。
結論的には、
飲料水は常に働く人が無償で利用できるようにしなければならない。飲料水へのアクセスは制限されてはならない。
としてよいでしょう。

「提供」というのはその形態・方法によります。

「利用できるようにしなければならない」とすることで、

明確な意味:

  • 設備・インフラを整備する
  • 労働者が自分で利用できる状態にする
  • 配布の義務ではない
  • アクセス可能な環境を作る義務

実務的に明確:

  • 水道、ウォーターサーバー、給水設備の設置
  • 労働者が必要なときに自由に使える
  • 管理者が一人一人に配る必要はない
といった現実的な取り組みが想定されます。

resting と breaks は異なる概念
breaks(休憩)
  • 短時間の中断(10分、15分など)
  • 作業の合間の小休止
  • 定期的に取る短い休み
resting(休息)
  • より長い時間の休み
  • 昼休み、疲労回復のための休み
  • 体を横たえることも含む

そして、
原文が "a clean place" を2回繰り返しているのは:
✅ 別々の場所であることを強調
✅ 両方とも清潔でなければならないことを強調
ということですので、「and」の意味は「や」ではなく、「および」とする方がよいでしょう。

gGAP CC 19.04.02 休憩・休息、食事、飲み水_b0391989_09524281.jpg
次に、このよう店の一つとなっている、「clean:清潔な」という観点ではどのような竜が必要でしょうか?
✓ 食事エリアが作業エリアから明確に分離されている
✓ テーブルや床に食べかすが残っていない
✓ 農薬容器、工具、肥料袋などが食事エリアにない
✓ ゴミ箱が溢れていない
✓ 清掃用具が適切に保管されている
✓ 悪臭や害虫の発生がない
✓ 労働者が気持ちよく食事・休憩できる環境

といったチェックリストにして、日常的に評価するとよいでしょうね。



参考:V6 ガイドライン (1)(2)
参考:(GHP)食品衛生の一般原則 2020(ファン限定公開中)
農場経営にGAPを導入する こちら 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ヘッダー記事移動場所)

更新を通知する 設定解除もできます
注意書きは こちら    ---END sutekina

by tm3381 | 2025-10-16 06:15 | GAP | Comments(0)

未来につなぐ農業を応援いたします


by トシ
カレンダー