GAP

gGAP CC 15.01 農産物製品における偽装とは

「選んだのは私です」・・・
その昔、「それは私です」というバラエティ番組があった。三人の出演で、三人とも氏名が同じです。
その私、という方が、何故にそうなったのか、ということを記事にしているものです。
私も30年ほど前にシステム導入をいたしました。さてその時に選定の根拠としたのは何だったのか、詳細に定かではありませんが、ひとつには「全文検索」が一つのキーワードでした。当時困っていたのは、この検索もあるのですが、ワープロ機(デバイス)を使用していましたので、今のようにグループや会社の単位で共通のフォルダといったものもありませんでした。また、単なるワープロですので、フォーマットも自由自在です。(いまだにこの自由自在が謳歌していることもありますが)
活動記録は自由(書式)であり、その文書データは散逸し、しかしそれらを検索をしたい。これらは商品開発の一端ですので、成功事例のデータではなく、試行錯誤した、結果的にはうまくいかなかった組み合わせを検索する、というもので、同じ間違いを懸命にやるという無駄を省きたかった、ということになります。
それと、ワープロ機からの脱却です。パソコンにすることで、自由書式であったとしても、その保存形態に共通性ができますので、時代が進めばそれなりにデータの整理整頓もかなうだろうと。
そうして求めていったのが、Lotus Notes でした。その当時はエクセルよりも、1-2-3 という表計算ソフトがあり、これも便利に使えそうだと考えていました。ワープロ機でも表の作成や合計くらいはできました。同じメーカーだったので、それなりに相互間の使いやすさも試みたこともあります(そう簡単ではないしそう便利でもなかった)。
選定まではどのようなことができるのか、ということを資料から得ようとしましたが、これも十分とは言えなかったと思います。また、ベンダーも導入後の利用、ということになると、さほどの経験もなかったように思います。
当時は、ベンダーも、ユーザーもこのような程度でも、選定し導入していた、ということでしょう。
で、この記事のように、業務にそぐわなかったか、というと、(情勢に合わせた改修を重ね)運用から変わらず開発業務の主体を担っています。
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Notes/Domino:2025年9月 v14.5発表)それはそうと、2024年6月にサービスを終了する、といった記事をまだそのまま放置、いったい何の目的があるのかわかりませんが、企業記事なら間違いをただし、もう少ししっかりしてほしいものです。
--------------------------------------------------すてきな農業のスタイル にようこそ

gGAPは、需要の多い青果物からバージョン6へと移行し、その日本語版も2022年に登場しております。その後、作物展開は長く旧バージョンで維持されていましたが、その置き換え(V6)が 2026年5月1日 となったようです。
認証機関によっては、猶予期間のあるところも考えられますが、JQAなど日本で認証できる期間の場合はこの日を境に適用バージョンが変わるものと推察されます。

この内容を紐解いていくことにいたしましょう。(支援希望の方は こちらから 

15 FOOD FRAUD
15 機器および装置

15.01 (下位)食品偽装に関連するリスクに対処するしくみがある。
このしくみには、以下が含まれていなければならない:
- 生産者が偽装された資材や原材料を意図せず購入してしまう可能性、または製品や包装が不適切に使用される可能性を特定するために、リスク評価を実施する。
- 特定された脆弱性を軽減するための手順を整備し、農薬、種苗、包装資材を真正なものとして調達することで、フード・フラウドのリスクが軽減されていることを示す。
- 該当する場合には、盗難や不正使用を防ぐために、表示および包装の管理方法を記述し、フード・フラウド事象の発生可能性を低減し、対応方法を定義するための軽減措置を文書化する。

青果物における日本語訳では
リスク評価を実施し、生産者が不用意に不正な供給品や資材を購入する可能性のある状況、および生産者の最終製品や包装が不適切に使用される可能性のある状況を特定していなければならない。
という表記もありました。

食品安全や労働安全などでのリスク評価は、生産物の生産方法やその手順などで、リスクとなるポイントが異なることが多いのですが、この食品偽装という意味ではそのような差異が少ない観点となります。

そこで、この食品偽装のリスク評価では、むしろ、どのようなリスクがあるのかを特定する、ということが重要になり、その手法としてリスク評価を行う、というような意図があると思われます。

つまり、食品安全のリスク評価の中で行ってもよいですが、審査においてはどの程度のリスク特定が出来ているか、という観点での評価判断がなされる可能性が高いということになります。

つまり、リスク管理の起点となる、危害要因の特定を重視するということで、それさえ漏れなく把握できているなら、あとの対処対応はおのずと、重要度合いなどによって実施されるはずであり、そのことで持続可能な農場運営は実現できる、というスキームの目論見だと思われます。

以下に、GAP原則15.01「フード・フラウドへの対応」に準拠し、コンバイン作物生産者が現場で実施すべき具体的なリスク評価項目を反映した、より詳細な自己チェックリストを提示いたします。特に「資材の偽装」「ラベル・包装の誤用」といったリスク要因の特定と、それに対する対応状況を確認できる構成にしています。


✅ フード・フラウド対応 自己チェックリスト(詳細版)

チェック項目実施状況備考・記録欄
購入した農薬・肥料・種苗について、製品ラベルやロット番号が正規のものか確認している。□はい □いいえ
購入先の業者が認証・登録された事業者であることを、書面またはウェブ情報で確認している。□はい □いいえ
購入資材の納品書・仕様書・成分表示などを保管し、第三者に提示できる状態にしている。□はい □いいえ
包装資材(袋・ラベルなど)に、誤表示・誤用・転用の可能性がないかを確認している。□はい □いいえ
包装資材の在庫数と使用数を記録し、過不足がないかを定期的に点検している。□はい □いいえ
製品ラベルにロット番号や生産者情報など、識別可能な情報を印字している。□はい □いいえ
偽装資材や誤用包装の混入リスクについて、リスク評価表に記述し、定期的に見直している。□はい □いいえ
偽装リスクが特定された場合に備え、対応手順(隔離・報告・再発防止策など)を文書化している。□はい □いいえ
作業者や関係者に対して、偽装リスクの事例と対応方法について説明・研修を行っている。□はい □いいえ
包装資材の盗難・不正使用を防ぐため、保管場所の施錠やアクセス管理を実施している。□はい □いいえ

このチェックリストは、リスク評価表の記述内容と連動し、現場での実施状況を具体的に把握できる構成です。チェック結果をもとに改善点を抽出し、PDCAサイクルに組み込むことが有効です。


また例えば、ラベル表示が異なる商品があったと仮定すると、もちろん不適合品ではあるのですが、その成り立ち(ラベル表示を間違えた、というのと、意図的に異なるラベルを貼る)において、どのような観点を持って取り組むべきか、ということも気になるかと思います。

この二つの行為は一見似ていても、GAPや食品安全の制度的枠組みにおいては、リスクの性質と対応の方向性が異なります。以下に整理してみます。


🧭 ラベル表示の「間違い」と「意図的な貼り替え」の違い

行為の内容該当するリスク分類主な制度的対応意図性
ラベル表示の間違い(誤記・誤貼付)食品偽装(Food Fraud)原則15.01:フード・フラウド対応非意図的(過失)品種名や産地の誤表示、誤ったロット番号の貼付
意図的に異なるラベルを貼る(高級品ラベルなど)**食品偽装(Food Fraud)食品防御(Food Defense)**の両面原則15.01+14.01:食品防御対応意図的(故意)通常品に「有機」「特別栽培」などのラベルを貼る

🔍 解説

① ラベル表示の間違い

これは通常、過失による誤表示であり、食品偽装の一形態とされます。

  • リスク評価では「誤貼付の可能性」「作業手順の不備」「確認工程の欠如」などが要因として特定されます。
  • 対応としては、表示確認手順の整備、作業者教育、二重チェック体制の導入などが求められます。

② 意図的なラベル貼り替え

これは故意による偽装行為であり、食品偽装の中でも悪質性が高く、
さらに「外部者による意図的な操作」や「内部不正」などの可能性がある場合は、食品防御のリスクにも該当します。

  • たとえば、第三者が保管中の製品に高級品ラベルを貼って転売するようなケースは、食品防御の観点から「意図的な損害・汚染・誤認誘導」として扱われます。
  • この場合、アクセス管理・監視体制・包装資材の管理方法などが食品防御の手段として求められます。

🧩 このような行為は、「意図性の有無」×「表示の影響範囲」によって、食品偽装と食品防御の境界が交差する領域に位置づけられます。

したがって、リスク評価表では:

  • 「誤表示(過失)」はフード・フラウドの脆弱性として整理
  • 「意図的な貼り替え(故意)」はフード・フラウド+フード・ディフェンスの複合リスクとして記述

するのが適切です。



参考:V6 ガイドライン (1)(2)
参考:(GHP)食品衛生の一般原則 2020(ファン限定公開中)
農場経営にGAPを導入する こちら 

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by tm3381 | 2025-09-28 06:15 | GAP | Comments(0)

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