冒頭に以下のようにあります。
「農場のルール」は作っただけでは意味がありません。関係者全員が、そのルール(手順)に従って作業を進めることにより、農産物の食品安全や農場の労働安全などが確保されます。
まったくその通りです。
GAPは英単語の頭文字を羅列したものですが、最後のPは Practice:実践 ということであって、何が実践されているか、というと、適正であるとする生産に関する作業や業務のことです。
よって、上記にあるように、「農場のルール」は必要ですが、飾りではなく、そこに記述されていることが実施されているかどうか、ということが自己点検時の確認であり、審査員による認証審査となります。
そして、一時的には、その整合性(取り決めたことと行動など)が確認できればよいのですが、自己点検でも、認証審査でも、すべての事項に対して確認することは不可能です。
いくつかのポイントで確認することしかできません。つまり、抜けや漏れがある、ということです。
さらに、農場のルールや作業手順などは、栽培作物が変わったり、生産方法が変わったり、働くメンバーが変わったり、用いる設備機器が変わったり、農産物の仕様が変わったり、これらはいわゆる予告もなく変更されることがあります。
その変更時にすべての関連する事項に対応ができているならよいのですが、そうもいかない場面も生じます。
いずれにしても、変更があれば、農場のルールや作業手順を変えざるを得ませんし、それを働く人に周知しなければ、Practice:実践 が伴わない恐れが生じます。
実践は働く人の活動であり行動であって、それを変更するには周知や練習あるいは訓練が必要になります。座学的なことと、公道的なことと、その両方を講じることで、Practice:実践 につながるようになっていることですし、その記録があることです。そして、知らなかった、という人がいないようにする、ということでもあります。