GAP

水を使っていますか、そして水源は

先日受講したISO9001内部監査員セミナーでのテストの結果が届きました。
Quality Management Systems Internal Auditors Training Course
何はともあれ、安心した日となりました。
あの頃は、Mr.Sunshine でしたが、今は Black を空き時間に鑑賞しています。
夢にまで出てくるけど、日本ではあまり見られないドラマかなと思います。

--------------------------------------------------
 こんにちは 

水に関する捉え方は、地球上でもその意味が大きく異なります。石油は水よりも高価である、というのは、過去に良く言われたことですが、今の日本においても気づくことは少ないかもしれませんが、水は500mLで100円位、一方ガソリンは1Lで150円位ですので、水の方が高価です。

ガソリンは車を保有していない方には必需品ではありません。水はどなたにとっても必需品です。しかし、この水は、比較するのでれば水道水になります。よって、コンビニで購入する水はぜいたく品かもしれません。この解釈や良し悪しはここでは考察しませんが、自分の地域の水道水の価格推移くらいは把握しておくとよいでしょう。

農業においても、水道水を使用する栽培、天水しか使用しない栽培、農業用水、地下水等、その生産方法によって、あるいは生産方針によって、利用する水は異なります。そして、農業での水は、水の特性から、生産された農産物に危害要因となる物質が移行してしまったり、水洗いさえすればよい、というような誤解の原因ともなり、その結果は健康被害(食品安全)や環境への影響に及ぶこともあります。

そのためには何をすべきか、ということを定めて、実践しましょう、というのがGAP的な発想であり、取組みとなります。
これらは、セクション5 水の管理 として管理点に纏められています。
具体的な水管理計画については前回までにその概要を別紙から抜粋しながら考察しました。
(20.9.24) 改善と是正

結論的に、水管理懸隔文書にはどのようなことを記載するべきか、その記載する内容にはどのような意味があるか(意味を持たせるか)、その内容に妥当性はあるのか(妥当性を有するためには)というようなことを考察しました。
参照:最終回の末尾に概略を記載しました。

それでは管理点の概要を見てみましょう。

CB.5 水の管理

水は限りある天然資源です。灌漑用水の有効利用のため、灌漑は適切な予測に従って、且つ用水を有効利用できる技術装置を使用して行うべきです。水の席になる使用についての情報については、別紙CB.1を参照。

CB.5.1 灌漑の必要量予測
CB.5.1.1 (下位)作物に必要な灌水量を計算し、適正な灌水を行うためのツールを常に利用していますか。
CB.5.2 農場での効率的な水利用
CB.5.2.1 (上位)農場での水管理における環境上の課題についてリスク評価を実施しており、管理者によって12ヶ月以内に見直しが行われていますか。<適用除外禁止>
CB.5.2.2 (上位)水源、及び、効率よく灌水することを確実にするための手段を特定した水管理計画があり、その内容が過去12ヶ月以内に管理者によって承認されていますか。
CB.5.2.3 (下位)灌水/滴下施肥に使用した水量、及び直近の過去の栽培サイクルでの灌水量を記録していますか。
CB.5.3 水質
CB.5.3.1 (上位)処理済み汚水を収穫前に使用する場合、その正当な根拠を、リスク評価で示していますか。<適用除外禁止>
CB.5.3.2 (下位)収穫までの作業で使用する水の物理的・化学的汚染に関するリスク評価が完了しており、管理者によって過去12ヶ月以内に見直しが実施されていますか。
CB.5.3.3 (下位)収穫前の作業で使用する水は、リスク評価(CB.5.3.2)に従った頻度で、現行の業界基準を考慮に入れ、水質分析を行っていますか。
CB.5.3.4 (下位)リスク評価(CB.5.3.2)と現行の業界基準に従い、水質検査機関での分析は化学的・物理的汚染について考慮していますか。また検査機関は水質検査についてISO17025認定、または所轄当局の許可を受けていますか。
CB.5.3.5 (下位)次の収穫時期が来る前に、リスク評価で見つかった問題のある結果に対し、是正処置を取っていますか。
CB.5.4 灌水/灌水施肥用水の供給
CB.5.4.1 (下位)法令で要求されている場合、農場でのすべての取水、貯水施設、農場での水使用および該当する場合、使用後の排水について有効な認可/ライセンスを保持していますか。
CB.5.4.2 (上位)水使用に関する認可/ライセンスが限定条件付きのものである場合、水使用・排水記録から、管理者がその条件を守っていることが確認できますか。
CB.5.5 貯水施設
CB.5.5.1 (推奨)貯水施設があり、良くメンテナンスされており、水が最大限に活用できる期間を利用できるようにしていますか。


水を使っていますか、そして水源は_b0391989_13333155.jpg
霧を石積みでとらえてブドウを育てる(カナリア諸島)

CB.5.1 灌漑の必要量予測
無理なくその地域で栽培できるような作物を、選択して生産していることを前提に、その作物の特性を理解し、選択した栽培方法の妥当性と、その栽培方法での作物の要求量等から必要量として計算しているかどうかということになります。

CB.5.2 農場での効率的な水利用
上記リンクの推奨される内容も含めてリスク評価を行い、その対策を加味して計画を作成して、実施し、記録して説明できるようにすることになります。

CB.5.3 水質
前項のリスク評価に含めて、管理することになります。

CB.5.4 灌水/灌水施肥用水の供給
農場としての水源の管理になります。一般的に農場独自といってもその水源は、地球での水のリサイクルにより得られるものにほかならず、独自のものであるから無関係であるということは言えません。地域で共用する農業用水ではそのルールが定められているはずですので、それに準じて利用することになります。

以下のサブセクションは、それらの生産方法や施設があれば適用されます。
CB.5.5 貯水施設
AF.1.1.1 で要求される施設として明示しておきましょう。そして、AF.1.2.1 ではそのリスク評価も必要です。

水を使っているなら、その水の使い方や、その水の特性、そして地域で共有する水である認識に基づく水源に関心を持つこと、これがこのセクションの要求となると思われます。

GLOBAL G.A.P. 全農場基本 V5.2 こちら 
農場経営にGAPを導入する こちら 

初回審査や、維持・更新審査などでお困りの方、
ご相談やお問い合わせは こちら から
 (J・A・G)GAP

更新を通知する 設定解除もできます
注意書きは こちら    ---END---

by tm3381 | 2020-09-27 06:15 | GAP | Comments(0)

未来につなぐ農業を応援いたします


by トシ