GAP

水管理とはどのようなことでしょうか

「日本の開発者が(中韓で)品種登録していれば販売差し止めなどの対応ができるが・・・」
先の通常国会でも、このようなことを想定した「主要農作物種子法案」が提出されたが、審議時間が足りずに、法改正は見送られた。(本ブログ:20.8.17
そのような状況でのニュースが冒頭のもので、アリババに出店している企業のようです。(事例:滨州市叶玲苗木经营部)が、事実確認がなされたのかどうかまではわかりません。名称をまねているだけかもしれないとのことですが、「低品質な種苗に使われて輸出されれば日本産ブランドが受ける打撃は大きい」ともいわれるとあります。このことは信頼して購入し栽培し販売する農業者自身も他人ごとではない、ということを意味しますね。

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 こんにちは 

水管理計画について考察しましたが、ところで、この別紙に、「水管理の適正規範」が記されています。これを列記しておきましょう。
この中に該当するような個所があれば、リスク評価の対象として見てください。

2.農場での責任ある水管理
2.6 水管理の適正規範
2.6.1 水質
2.6.2 水量

2.6.1 水質
  • 灌漑用水の水質検査をし、可能であれば、圃場から水域への流出量を正確な間隔でモニターする。
  • 水路、塀、井戸、食品や飼料の保管庫、住宅及び道路から安全な距離のある、農場内のコンクリート/土にしみこまない場所で農薬及び特定防除資材の混合希釈と防除機への充填を行うのが望ましい。
  • その場所は少しへこんでおり、こぼれた農薬及び特定防除資材や防除機・ノズルの洗浄排水が人口のドレーンを経て集められ、安全に処分されていることを確認する。回収した流出物や残液、例えば防除タンクの撒き残しは、認可を受けた処分業者に渡すか、農場の流出物管理システムによって処理することができる。
  • 灌漑用貯水池の近隣に農薬及び特定防除資材の混合希釈・防除機への充填場所があってはならない。
  • 作物、土壌、気候及び土地の傾斜を考慮し、土壌流出、浸出、蒸発によるロスや農地からの流出を予防するような正しい灌水方法を採用する。
  • 表土の浸透性改善によって、農地からの流出が直接表面水に入ることを防ぐことができる。例えば、農場車両の通行管理や、耕起を最小限にする、または土壌や他の条件が許せば、不耕起によって土壌構造を改善し、土壌のキャッピングや圧縮を予防することで実現可能である。
  • 緩衝帯を水流の隣に設けることで、農地からの流出が直接表面水に入ることを防ぐことができる。これによって、降雨や灌漑による流出によって、農薬及び特定防除資材や肥料分が表面水に流入することを予防できる。
  • 汚染された表面水や地下水を灌漑に使用しない(例えば、微生物、重金属、工場からの汚染物質等)
  • 排水システムを利用して灌漑用水を再利用している場合は、再利用水で灌漑を行う作物が水中に含まれる微量の除草剤成分によって影響を受けないことを確認する(作物への影響に関する情報については、通常レベルに記載されている)。
  • 地下水位が地表にとても近く、浸出性の高い土壌の場合(排水性が高く、粒子が粗い(砂を含む)土壌、または重い土で深いひび割れ/虫の穴がある、有機物含量が低い土等)は、浸出性の高い農薬及び特定防除資材を使用しない(通常ラベルに記載あり)。
  • トラクターのオイルを溝に廃棄しないことを確実にする。
  • 水質(水質管理)に関する国や自治体の全ての法令や条例を順守する。

<地表灌漑システム>
  • 防除後は、数日間、ボーダー、水盤または畦間灌漑をしないことを確実にする。畔化灌漑の場合や、畦間が比較的狭い場合は、「サージ灌漑」をすることによって、末端からの流出を防ぎ、水の浸透を高めることができる。
  • 工業廃水や中水/下水、例えば未処理の下水または重金属含量の高い処理済み下水による灌漑を避ける。これらの使用によって、ヒトの健康(作業者、作物の消費者双方に対し)や土壌に悪影響を及ぼすことがある。

<スプリンクラー及び点滴灌漑システム>
  • 農薬及び特定防除資材を添加して水で灌漑することによって防除を行う場合、点滴灌漑システム詰まりが灌漑システムやノズルを損傷し、水漏れを起こさないよう念入りに点検するべきである。
  • 農薬及び特定防除資材を加えて灌漑する場合、高品質で強靭な素材の点滴ラインを使用する。同様に、(果樹園で使用するような)常設の灌漑システムには、逆流防止装置を必ずつけ、ため池に水が逆流して多量の水を汚染しないようにする。
  • 灌漑するエリアと作物の根の量のずれを最小限にし、流出を防ぐ。

水管理とはどのようなことでしょうか_b0391989_17154287.jpg
2.6.2 水量
  • 水量管理に関する国内法・国際法、及び、もしあれば関連する適正規範に適合する。
  • 取水に関する国や自治体の法令、条例を順守する。
  • 作物、土壌、入手できる水の量に応じた適正な灌漑率と間隔を維持する。灌漑間隔の管理は、深刻な干ばつや水不足の際に重要で、不足灌漑を選択する場合もあります。例えば、開花期といった、作物にとって最も重要な生育ステージに感慨を行い、収量の低下を防ぎます。
  • 流失、農地からの流出、排水を防ぐために、灌漑のやり過ぎを常に防ぐ。
  • 蒸発によるロスを最小限にする。例えば、水面からのロス。
  • 地下水を利用する場合、持続可能な使い方をする。つまり、1年間に補充される量を超えないように取水し、地下水位の低下を防ぐ。
  • 作物、生育ステージ、入手できる水量、作物に必要は水量に応じて、適正な灌漑率を維持する。これは気候条件(高温と降雨量)によっても変化する。
  • 栽培期間中の適正な灌漑率について、水管理組合、地域の水管理局または民間の農業サービスプロバイダーからアドバイスを受けることができる。土壌水分計などのツールが使用できれば、生産者自身で適正な灌漑率を推測することができる。
  • 水漏れを減らし、IEやWUEを改善するには、灌漑システムをタイミングよくメンテナンスすることが重要である。
  • 土壌の保水力を高め、農地からの流出、浸出を減らし、土壌流亡を予防する。土壌の保水力は土壌中の有機物を増やすことで改善できる。最小限の耕起や不耕起法を含む保全農業の実施によって、土壌型や気象等、地域条件によって異なる土壌中の有機物量を改善することができる。

<地表灌漑システム>
  • 必要性があり、可能な場合は、送水・灌水効率を改善する。明らかに下流の水使用者がリターンフローを利用していることが明確であり、生産者にとって経済的に困難でない場合は、リターンフローを止めず、灌漑システムで再利用するための再取水はしないようにする。
  • 灌漑システムの適正な設計を維持する。例えば洪水調整池の大きさ、水門の配置、畝の長さ等。

<スプリンクラー及び点滴灌漑システム>
品質の良い点滴ラインを使用し、損傷は水漏れを防ぐ。
適正な散水パターンを守って適量の水を使用する。例えば、ドリッパーやスプリンクラーの散水系の重なりが大きくなり過ぎないようにする。
点滴灌漑:適正ないサイズのパイプを使用し、全区画に均等な水圧を保つ等。




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by tm3381 | 2020-09-25 06:15 | GAP | Comments(0)

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