GAP

間違って食品偽装とならないやり方も予防のひとつです

Cocoaには期待しているのですが・・・
接触確認アプリ「COCOA」では1メートル以内に15分以上いた利用者どうしのデータが記録され感染が判明した利用者が保健所から発行された処理番号を入力すると相手に通知します。
という仕組みにより、PCR検査をして陽性判定が出た方が、保健所からの処理番号について、保健所に問い合わせしたそうですが、一週間ほど経過しても処理ができていないというような内容でした。このほかにも、処理番号が届いたにもかかわらず、アプリを開いたらという画面が出たという事例もあるそうです。
そんな中で、どうあるべきだったのかを中間考察しているサイトがあります。感染対策でもなく、予防でもなく、現状把握に相当しますが、期待したいものです。使う側からいえば、今この場所はリスクが高いのか、それとも低いのか・・・
今そこにある危機 それが見えれば危機は回避可能です。

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 こんにちは 

食品偽装の潜在的な弱点を特定してリスク評価し、それらの結果から、リスクに対応する、という考え方もよいのですが、本来的な考え方に基づいた運営方法はどうあるべきなのかを見直してみると、間接的に脆弱性への対応となる可能性もあると思います。
ある意味これは理想論になる可能性はありますが、現状を否定して見直す、ということであり、そのために理想的な手順などを知る必要があり、また、そのためのインフラ整備を行うことが伴います。

リスク評価には5つのステップが別紙として提供されています(こちらの5を参照)。この考え方は、どのような運営レベルにあったとしても、適用可能な方法であると思います。一方で、根本的な見直しをする、あるいはそれが可能であるのは、数十年来の農場運営をしてきた農場やその間に付け足しをしても見直しをしていない農場ではその効果は大きいと思います。ただし、時間と費用発生が伴うことは忘れてはいけません。GAPに新たに取り組むという、経営者の覚悟(コミットメント)によるところが大きいことも理解しておくべきでしょう。

さて、前回の管理点(AF.16.1:20.8.11)での評価手順書に基づいて、リスク評価を行った後の取組みとしての要求が今回の管理点となります。その要求事項を見てみましょう。
管理点 AF.16.2 (下位)

食品偽装発生を予防するための計画を持っており、それを実践していますか。
食品偽装発生予防計画を文書化しており、その中で、特定された食品偽装の脅威に取組むために生産者が実施した手段を具体的に書いたものがあり、実践されている。

間違って食品偽装とならないやり方も予防のひとつです_b0391989_15241077.jpg
リスク対応策を引用して、それからこの「予防計画」を作成するのがやり方としてGOODと言えるかどうかは、よく考える必要があります。つまり、手法として、この方法しかない、というものではないからです。
食品偽装の発生(の場所)はどこにあるか、農場内であり、農産物の生産プロセスにあります。「予防」とは、そのプロセスにおける脆弱性の想定です。
例えば、作業者が取り違えてしまったことでこのような事態を招いてしまった、というのは、もしかすると言い訳かもしれません。作業者が間違える可能性があることを想定していないことと、間違えたとしてもそれがわかる仕組みがあるかどうかです。

例えば、AF.13.3(20.8.5) にあるように、最終確認を行っているか、という管理点がありますが、食品偽装の可能性を想定した確認内容になっているかどうかです。すべてを想定するには負担が大きくなりますので、最終確認であらゆる可能性をつぶすのは効果的ではありません。生産フローの上流での問題をその下流側で判別するようなしくみであったり、そもそもその問題が生じないような体制づくりも、「予防」となりえます。

この「食品偽装発生を予防するための計画」を持つことの要求ですが、その内容をどのように作成するべきかは、上記のようにリスク評価の対応策から作成する方法と、生産フローダイアグラムと標準作業手順の見直しによる対応で、同時に予防を測る方法があるといえるでしょう。最終的には、生産の作業自体を「食品偽装発生予防計画」で行うことはありません。生産作業は、記録を想定した作業指示に基づき、その記載内容により行うものです。行った結果は必然的に記録として残ります。

この管理点での要求事項の二つ目は、「実践されている」です。
計画の文書では、リスク評価などで、どの工程で、どの場所で、どのような脆弱性があるかを想定し、それを防止したり、判別する仕組みを、生産工程や作業手順に加味し、そのための操作や活動などをどの記録内容に付加するかを記載することになるでしょう。(これは生産者が実施した手段といえます)
その実践は、それらの内容を加味した標準作業手順に基づき、そして作業指示による作業で行うこととなり、行ったことは作業記録として保管されることになるでしょう。

ここでの「予防」というのは、原因となることを全て潰すことではなく、「食品偽装発生」がなければよいということでもありますので、市場に出る前、あるいは、消費者が手に取る前、そして、顧客が使用する前に対応ができるようにすることも含まれます。
一日の作業の終わりに、一日の記録等を確認することの重要性はこのようなところにもあります。
マスバランスの管理点にもあったように、一日の作業を、その日に確認することの、一年間の積み重ねは、何にも代えることができません。もちろん、問題なく終わっていることが良いことなので、メクラ判に陥ることもありますので、責任者が確認した記録(例えば責任者しか使用しない色のペンなどでチェックマークする)が残るようにして、漏れがないようにできるとよいでしょう。


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by tm3381 | 2020-08-12 06:15 | GAP | Comments(0)

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