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もしも目の前で人が倒れたら?

従順になるように、と育てると個性が失われ、自覚を持たなくなり、言われるまで(行動などを)変更しない。言われたことは盲信的に、正しいことだと自分をコントロールできる。
新しい生活様式と、言われても、考えるわけではない。例えば、が、ルールや基準になってしまう。
社会から見ると、管理されているように見える。コミュニケーションが欠落したら、独裁か、呪縛である。
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 こんにちは 

AF.4 働く人の健康、安全、福祉 この中の、AF.4.3 危害要因と応急処置 でしたが、危害要因を想定した、リスク評価となるのが標準的な手順となります。
このセクションでは働く人を対象にしており、働く場所は農場(サイト)内です。もちろん健康は日常になりますので、農場内に限定はできませんが、農場内にある危害要因による健康被害の対応ということになります。
対応するためにはリスク評価を行う、となりますので、それが、AF4.1.1(20.6.26) 危害要因についてのリスク評価 でした。そして、その対応策としては「健康、安全のための手順文書」を作成することとなり(AF.4.1.2:20.6.27)、そのための教育と繋がります(AF.4.1.3:20.6.28)。

これで万全であるとしたいのですが、現実はそうもいかないことが生じます。先日もクレーン車が横倒しではなく、縦倒しになり、民家を直撃しました。いつ何が起こるかわからない、というのが現実で、そのための対応が今回の管理点となります。ここでは、別の文書「事故と緊急時の手順書」が要求されています。

さてその応急対応に関する要求内容を見てみましょう。
管理点 AF.4.3.1 (下位)

事故と緊急時の手順書がありますか。それを見やすいように掲示していますか。その内容について、外部委託業者や来訪者も含め、農場での業務に関わるもの全員に伝えていますか。
作業者、来訪者、外部委託業者が常時利用でき、よく見える場所に事故時の手順書をはっきりと掲示していなければなりません。これらの指示は、働く人が主に使う言語、または絵文字で書いてあること。
手順書の中で、以下について特定していなければなりません。
ー 農場の地図、、もしくは農場の所在地
連絡先担当者名
最新の電話連絡先(警察、救急、病院、消防、農場内で応急処置が受けられる場所、またはその場所への移動手段、電力会社、ガス会社、水道局)
最短距離にある通信手段(電話、無線)のある場所
地域の医療施設、病院、その他救急サービスへの連絡方法、連絡先番号(事故はどこで起こったか、どんな事故か、負傷者は何人か、怪我の種類は、誰が連絡しているのか)
消化器の設置場所
非常口の場所
電気、ガス、水道の緊急停止方法
ー 事故や危険な出来事について報告する際のやり方
※水産養殖においては、AQ3.1.4 も参照のこと


対応するための手法として間違わないでほしいのは、これらのすべてを網羅したものを1つ作成し、そのコピーを要所要所に掲示するようなことは避けなければならない、ということです。このような規範となる表記は、自ずとこの様になるのですが、それを真に受けて対応をすると、まさにこの緊急時には役に立ちません。
この文書(掲示物)を読み、その場での対応・行動がスムーズにできるためには、どのようにしておくとよいのか、ということに留意が必要です。このようなことが自然にできる方と、言われて気づく方がいますので、経営者や責任者の方も留意が必要です。

では、どのようにこの管理点の要求事項を満たせばよいでしょうか。
人がいれば、どの場所で起こるかわからないようなことがあります。つまり、場所によらず、あるいは、作業にもよらない、急な体調不良、モノによる傷等です。
・状況把握(呼吸の有無・被害の程度等)と応急手当(心肺蘇生やAEDなど)、もしくは連絡(農場内、救急サービス等)
・連絡先 農場内:応急処置受講者等、救急サービス:消防署、内科や外科の病院等
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この基本的な連絡先をベースにして、要所要所での掲示物を作成するとし、さらに、事件性の場合を想定して、駐在所(警察関連)も含めておくと良いでしょう。
次に、要所要所としたように、その場所で起こり得ること、あるいはその場所で行う作業とその作業により起こり得ること、これらをリスク評価結果から引用することになります。
もちろん、リスク評価ですので、その優先度や重要度から、対応すべきとしたリスクと、容認できるレベルのリスクに分けられているでしょう。全体的に対応策を講じるのはだめではありませんが、やはり重要なところから始めることが効果的とされています。
対応を行おうとしているリスクが、どこ(場所、エリア等)で想定されているでしょうか。そこで起こり得る被害に対して、上述した基本的な連絡先に不足があれば、追加しましょう。

これらは一時的な対処となりますので、緊急連絡先というようにして、明示すると良いでしょう。
もしも目の前で人が倒れたら? ということです。

これらとは別に、対策を講じる事で被害の拡大を防止する必要があるかもしれません。
想定される状況    連絡先      応急対応
火災の場合    ➡ 消防署     ➡消火設備(手動)、消火器
ガス漏れの場合  ➡ ガス提供会社  ➡バルブ閉鎖
漏水の場合    ➡ 水道局     ➡バルブ閉鎖
電気事故の場合  ➡ 電気設備業者  ➡電源遮断

このように起こり得る場所とその発生する事象、これらに応じて(その該当要所に)、基本情報に追加して掲示物を作成し、掲示することになるでしょう。
そのためには予め用意しておくべきなのが、
・掲示場所と掲示物を記載したサイト内の地図(消火器設置や避難経路図はこれを利用して別途作成)
・応急処置の訓練受講者もしくは資格保有者のリスト
・(サービス提供や契約等の)連絡先リスト
・農場内で報告を受ける担当者や責任者
・報告や連絡を行う手順(ヒヤリハットを含む)
というようなものとなります。

言い換えるなら、むしろ農場でやらないといけないのは掲示物の掲示ではなく、このような予め準備するべきことを整えることになるかもしれません。これらが整っていたり、整える仕組みがなければ、掲示物は絵に描いた餅になるかもしれないですね。


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by tm3381 | 2020-07-03 06:15 | GAP | Comments(0)

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