GAP

④a 16.1.1 生産工程で使用する水の安全性

 こんにちは 
すてきな農業のスタイル にようこそ
どのようにしてGAP認証農産物できたのか・・・
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すでにJGAPの管理点として記載した。(こちら
ASIAGAPについては、要求事項に差異がある、
という指摘をいただいたので、その違いなどを考察
してみたい。
引用:ASIA GAP ver.2.2 青果物

まず、適合基準を記載すると

(1) 生産工程で使用する水の種類(水道水、農業用水、井戸水、河川水、ため池水、雨水、廃水の利用等)とその水源及び貯水場所を把握している。
(2) 生産工程でい証する水が目的の用途に適して水質であり、農産物に危害を与える要因(病原性微生物、重金属類、農薬、有機溶剤、放射性物質等)がない、リスク評価を年1回以上実施し、必要な対策を講じている。リスク評価には生物学的、化学的危害要因の検討が含まれている。リスク評価は下記 1) から 3) までの情報を利用して行い、検査が必要と判断した項目については水質検査を実施し、問題がないことを確認している。検査の頻度は水源及び断続的かつ一時的汚染(例:豪雨、洪水等)を含む環境汚染のリスクを考慮している。
 1) 水源及び貯水場所やその周辺で行われた行政等による水質検査の結果あるいは廃水と糞尿の安全な使用に関するWHOガイドライン
 2) 使用目的(灌水、農薬希釈、収穫後の洗浄等)及び使用する栽培ステージ
 3) 水源及び貯水場所の周辺の状況
(3) 上記(2)のリスク評価の結果(必要な場合には水質検査の結果を含む)及びその対策は記録されている。
(4) 屋内の生産設備には、清潔な保管場所と手洗い・器具・収穫後の農産物の洗浄に十分な水供給システムが適切に備わっている。

とあります。
この内容を少し紐解きましょう。
④a 16.1.1 生産工程で使用する水の安全性_b0391989_16200656.jpg
まず、農場ではどのようにするべきかを記載します。

■現状把握(位置の把握と図面表記)
1.農場で使用する水の全て、つまり、どの場所でも、どの生産工程であっても、誰が使用しても、間接的であっても、使用する全ての水を把握する。
2.それぞれの水の農場内の経路を把握する。把握した結果は農場平面図に書き記す。
3.水源が農場内にある場合は、平面図に位置を明示する。水源が農場外の場合は、農場への位置口に吹き出しなどで水源を文言で表記する。なお、農場外の場合は、水源と農場までの経路で工場排水、家庭排水などの混入の有無を把握し、文言表記する。
4.農場内の水の経路内に貯水施設がある場合は、その規模や位置を平面図に明示する。
■水質検査等(水源や貯水設備
※上水のみの場合は以下は省略可能
1.状況把握した結果から、定期的、適時(断続的/一時的等)にサンプリングを行い、管理点7.2.1 で示された検査機関にて検査を行う。
2.検査結果と、農場内での使用状況における用途との整合性を確認する。(以下の事例を参照)
■リスク評価等
1.問題がある場合は、対策を検討する。例えば、
  ・地面に近い高さで行う方法を用いた家庭雑排水の灌漑を推奨。
  ※スプリンクラーなどではなく、灌注法など
  ・媒介生物の繁殖場所となりうる、家庭雑排水の利用場所での湛水を防ぐ。
  ※採水地を変更するなど
2.リスク評価を行い、必要に応じて、対策を講じる。(リスク評価について

以上のようなことが実施可能となるように検討を
進めてみてください。

事例 ※水質検査の第2項
例えばの判断として、廃水の灌漑利用に伴う微生物学的健康リスクには、
農業労働者とその家族
糞便性大腸菌群が 10^4個/100mL を超過する水質の場合、廃水への接触により子供の下痢疾患リスクは増加する。 未処理の廃水に曝露した子供のサルモネラ(Salmonella)感染のリスクは増加する。 部分的に処理した廃水に曝露した成人のノロウイルスへの血清反応性は増加する。
廃水灌漑を行う現場内部または近隣に在住する人々
水質の悪いスプリンクラー灌漑(大腸菌群濃度 10^6~10^8個/100mL)やエアロゾルの高濃度曝露は感染増大と関わりがある。部分処理した廃水(糞便性大腸菌群が 10^4~10^5個/100mL 以下)のスプリンクラー灌漑への利用はウイルス感染率の増大とは関わりがない。
廃水で灌漑した生産物の消費者
未処理の廃水利用により、コレラ、腸チフス、赤痢の集団発生が報告されている。ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)に対する血清反応陽性が確認されている。糞便性大腸菌群が 10^4個/100
mL を超過する水質の時、非特異性下痢症の増大が見られる。

10^4個 とは、10の4乗個を意味するので、
10,000個のことである。
農場においては
・農産物の洗浄は水道水
・圃場では農業用水
という程度であれば、多少の不適合はあっても、
食品危害の発生には至らないでしょう。
過度に心配する必要はないと思います。

また、圃場で使用する水に、家庭雑排水が混入して
いる可能性がある場合はどうでしょう。

糞便汚染が少なく、かつ処理を施している場合、作物の規制は通常必要でない。
・地面に近い高さで行う方法を用いた家庭雑排水の灌漑を推奨。
・媒介生物の繁殖場所となりうる、家庭雑排水の利用場所での湛水を防ぐ。

衛生安全計画 の中の、
付録 3 農業や水産養殖に用いる廃水に含まれる化学物質
A1-6 家庭雑排水の灌漑(p.113)
から抜粋したものです。

ただ、水の安全性は侮れない部分もあります。
リスク評価はしっかりと行うことですね。

それから、「屋内の生産設備」ということが要求
事項にありますが、これは、近年の植物工場等に
該当します。施設内の場合は、その全体が農産物
取扱い施設に近いものとなります。よって、取扱い
施設だけにこだわらず、生産項手も含めましょう、
ということの意味ですね。

参照

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ではまた

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by tm3381 | 2019-10-14 06:16 | GAP | Comments(0)

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by トシ